A02-2-16

がんの多様性を多角的に捉えて解析するためのオブジェクト指向型データ解析法の構築

研究室ホームページ http://www.nagoya-sysbiol.info

次世代シーケンサーを始め, 質量分析や画像解析の発達により膨大かつヘテロながんビッグデータが集積しており, それらの解析技術基盤が課題となっています. 一方, 統計科学の分野でもデータ中心的な転回期を迎えつつあり, 従来の多変量解析における数値行列型データに加え, 各観測値がヒストグラムや関数, 木構造, 画像といった多種多様なデータ表現に対する解析方法ーオブジェクト指向型データ解析法が広がりを見せつつあります. 本研究では, 多様ながんビッグデータを駆使して複雑極まりないがんのエコシステムを攻略すべく, オブジェクト指向型データ解析のための基盤構築を行います. 具体的には以下の課題に取り組みますー①がんヘテロ不均一性を反映したメチル化量の特徴を捉えることを目的とした, 分布オブジェクトに基づく解析方法の開発②がんのサブクローン進化系統樹の集まりから, 悪性度の高いがん特有の構造を同定することを目的とした, 木構造オブジェクトに基づく解析手法の開発③がんの表現型とオミクスデータとの関係性を明らかにすることを目的とした, 画像オブジェクトに基づく解析手法の開発です.