A02-3-16

Cクラス・Mクラスシグネチャーを統合したECM分類によるがん分子病態の解明

研究者ホームページ 富田 秀太

本研究では、従来の網羅的遺伝子発現プロファイル情報(E-class)のみならず、C-class(CNV:コピー数変異)とM-class(Mutation:遺伝子変異)の情報を統合した、新規ECM分類手法を開発し、今までに見過ごされていたサブクラスに基づくがん分子病態の解明と、ドラッグリポジショニングを含む治療薬最適化アルゴリズムを開発し、PDX(Patient-derived Xenograft:患者腫瘍組織異種移植)モデルで検証することを計画しています。E-class, M-class, C-classをフレキシブルに組み合わせることで、がん種毎に異なる分子病態を正確に分類するのみならず、診断や最適治療法の推定といった実臨床に適した分類モデルを構築することが目的です。 がん死亡原因の1位である難治性固形腫瘍の肺がんを対象に、E-class, M-class, C-classの各コンパートメントを最適に組み合わせたサブクラス分類手法を構築します。 分子標的薬の開発が先行している肺腺がん(LUAD)では、M-classとC-classの割合が50%ずつであり、遺伝子変異情報を主体にしたMECモデルあるいはMCEモデルの構築を検討します。また、未だ有効な治療法が確立していない肺扁平上皮がん(LUSC)では、C-classの割合が70%を超えている事から、CMEモデルあるいはCEMモデルを作成し、その有効性を検証します(冨田担当)。肺がん患者由来の組織を用いたPDX モデルを作成し(豊岡・小崎担当)、肺腺がんMEC/MCEモデル、扁平上皮癌CME/CEMモデルを評価します。