平成22年度から26年度まで実施した新学術領域研究「システムがん」では、がんオミクス研究にスーパーコンピュータを駆使した数理/統計モデリングやデータ解析の手法を融合させることで、がん研究を加速し、それ以前の個別的研究では考えられなかった規模の拡大をなし、画期的成果を出すことができました。しかし、その5年の研究成果は、同種類のがん検体だけでなく、一人の患者の同じがん組織内においても想像を超えたがんの多様性が見い出すことでもありました。このようながんのシステム異常の複雑さの本態が次第に解ってくるにつれ、がんの発生、進展過程、診断、予防、治療戦略などについて、これまでの考え方を変えなければならず、がん研究を次のステップへ進めるべく複合領域の新学術領域研究として新たな研究を始めようではありませんか。 【がんの複雑性のシステム的理解を目指した新次元の統合的研究】