システム癌新次元

がんシステムの新次元俯瞰と攻略

文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究 (研究領域提案型)(複合領域:4701)
研究期間:平成27年度~31年度

 

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研究目的 [2015/07/31 02:35]
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研究目的 [2015/07/31 02:41] (現在)
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   - __大規模データを解析し、数理モデリングや遺伝統計解析などにより全体像を様々な観点から俯瞰する技術は京を含むスーパーコンピュータ上で磨きあげられているものの__、**そこから1~3の解明と攻略に向けて的確に目標地点へと、データ解析結果や知識情報に基づいて誘導する技術が不可欠**です。加えて、**がん関連ビッグデータが誕生し、そのがん研究への利用法が大きなチャレンジ**です。__これまでの成功例は優れたがん研究者の洞察が誘導したもの__であり、結果として一部の俯瞰情報しか使えていない。たとえば、がん検体の全ゲノムシークエンスをすると 2 百万~4 百万の変異の候補が見えてきます。ここから**多様性をもったがんの病態の原因となっているものを探し出すことは**“Sifting through the DNA haystack”であり、**人智・人力を越える世界に放り込まれています**。   - __大規模データを解析し、数理モデリングや遺伝統計解析などにより全体像を様々な観点から俯瞰する技術は京を含むスーパーコンピュータ上で磨きあげられているものの__、**そこから1~3の解明と攻略に向けて的確に目標地点へと、データ解析結果や知識情報に基づいて誘導する技術が不可欠**です。加えて、**がん関連ビッグデータが誕生し、そのがん研究への利用法が大きなチャレンジ**です。__これまでの成功例は優れたがん研究者の洞察が誘導したもの__であり、結果として一部の俯瞰情報しか使えていない。たとえば、がん検体の全ゲノムシークエンスをすると 2 百万~4 百万の変異の候補が見えてきます。ここから**多様性をもったがんの病態の原因となっているものを探し出すことは**“Sifting through the DNA haystack”であり、**人智・人力を越える世界に放り込まれています**。
   - ほぼほとんどの人が人生の中でがんに直面します。生殖細胞系ゲノムだけでも __Angelina Jolie さんの告白とその社会への影響は、今やがんゲノム研究が常に ELSI(倫理的法的社会的課題)と深く関わっていることを象徴__しています。**最先端のがん研究、特にゲノムに関する情報が、がんの予防や治療後の予後に明確に影響することが明らかとなり、ビッグデータがもたらす未だ遭遇していない課題も含め、システムがん研究は ELSI 研究とともに行うべき領域**であるとの考えです。   - ほぼほとんどの人が人生の中でがんに直面します。生殖細胞系ゲノムだけでも __Angelina Jolie さんの告白とその社会への影響は、今やがんゲノム研究が常に ELSI(倫理的法的社会的課題)と深く関わっていることを象徴__しています。**最先端のがん研究、特にゲノムに関する情報が、がんの予防や治療後の予後に明確に影響することが明らかとなり、ビッグデータがもたらす未だ遭遇していない課題も含め、システムがん研究は ELSI 研究とともに行うべき領域**であるとの考えです。
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 +===== さて、そこから =====
 +以上のことから、本研究は、**がん研究として、がんの進化、ノンコーディング RNA、がん細胞文脈という概念でシステム的統合理解を深化させる基礎研究分野です。その推進の鍵は、システムがんで実証されたスーパーコンピュータを大規模に活用することではじめて実現できる数理モデリング・大規模データ解析、遺伝統計解析などの数理的方法論で一貫**しています。しかし、スーパーコンピュータの能力の増大とデータの超大規模化により__俯瞰情報は広大になり、目標地点を見出して相互にシャトルする技術的・科学的すべがあまりなく、上述の例のように人智・人力を超えたものとなっています__。また、がんに関する論文は過去5年間だけで70万以上あり、これらに電子的にはほぼアクセスはできるが、全文献を読むには無理があり、専門家の知識は深いが視野は狭いものです。そこで、本研究の格段の発展・飛躍的な展開を目指すために、__人工知能分野で開発され現在、様々な社会領域で注目されている IBM Watson が実装している__ **Cognitive Computing などの革新的情報技術を新たにがん研究に融合し、がんの全体象を把握した上で、その細部へと自在にシャトルする術を獲得することを実施します**。同時に、**がんの ELSI 研究を構築してがん研究との融合・整合性を図り、現在の我々の想像を超えたがんゲノム研究・診療を支え、時に対峙しうる領域へと深化させます**。
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 ===== ゲノム ===== ===== ゲノム =====
  
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